迷霧の連弾  221

そんなことをまだ

望んでいる自分がいる限り

きっとまた傷つくと

ワタシのこころに

刻まれた傷は

そう警告しているから

12歳の春まで

ずっと一緒に築いた友情が

たった一日で崩れる脆さを

知ってしまったから

アナタの優しさを

受け止めることはできない

理恵はいつものように

感情を噛みつぶして

ボクに話した

それを知っていて

アナタに話しかけたのは

植物は健気だけれど

残念ながら

こころを通わせることを

できはしない

植物の持つ美しさ

地上で生き延びるため

備わった機能

それを共感できる相手

ワタシはそれを求めていた

そしてアナタを選んだ

ただ科学の授業を

想い出深い記憶にしたかった

ワタシが中学校生活で

唯一誰かとこころ通う

そんな時間を作りたかった

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