雨上がりの夕刻 風がゆっくりと吹いて 雨を吸ってゆく
幻歩 花の句読点に息継ぎをする
雨が混ざった空気の香り
雨粒をいだいて散った白梅
傘を差して逢いにいった日の幻影
小さな花びらが点々と落ちたベンチ
春を連れてきた雨雲の息遣い
あのひととのおしゃべりの名残
散り際に少し芯が紅くなる花弁
陽水に赤らむ頬は
春のめまいに 貧血気味に霞んだ
幻歩 花の句読点に息継ぎをする
点々とベンチに落ちた花びら
雨上がりには姿なく
春風に舞い 白煙の呼吸で雲の列車が出発を告げた
梅の梢にチラチラと残った花芯とガク片
小さな小さな紅い花に姿を変えて咲く様子は
光を数える喜びを教えてくれたひとに似て
青空の下 瞳の芯は陽の光に反射して眩しく
朝焼けのように燃えて萌えて春を告げる紅い息

コメント
まだ遠い春の幻を追う様に
幻と霞む恋しい人を様が目に浮かびそうです。
風が雨を吸う表現や
花が句読点を打つ表現が
まさしく幻歩かなと感じました。
夕焼けが朝焼けに変わる
あやふやな境目に花の句読点を打てる
書き手に成りたいと思いました。
白い影法師さん
丁寧にイメージを浮かばせながらお読み下さり素敵なご感想を本当にありがとうございます。
雨が降り花びらがベンチに落ちた様子と
白梅の花びらが散った後の花芯とガク片だけになった姿が小さな紅い花のようでとても愛らしく印象に残っていました。
白い影法師さんのあやふやな境目に花の句読点を打てるというお言葉も印象的です。お言葉を励みにわたしも頑張りたいです。