お茶会 7

(呪いの双口スープ皿)
七海さんはまず、皿を買い取った経緯から話し始めた。
私は一見客からの買い取りをしない事にしているので、
男が皿を買い取って欲しいと来た時は買い取れないと断ったのですが、
男が「店主は浜風 薫と知り合いなのだろ」と言って来たんのです。
浜風さんの知り合いか紹介で来られたのかと聞いても男は
違うと答えるだけで、薄汚れた箱を差し出しては
「買い取って貰いたい」の一点張り。
浜風さんの名前を出されたので見るだけなら見ますと
答えて男が持って来た箱を受け取り品定めする事にしました。
「ねえ?オーナーの名前を言っといて、
オーナーの友達じゃないって変じゃない?
七海のおじさんは変だと思わなかったの?」と
紅葉ちゃんが七海さんに向かって問いかけた。
困った様子で七海が
「確かに変だよね。
自分から名前を言っておいて知り合いで無いなんて、
でも薫さんって結構有名で本人が自覚しているかは別としてね。
薫さんの所へ持って行かずに私の所に持って来たのは…
お金かな?」少し言いにくそうに七海は口を閉じた。
「紅葉ちゃんは知っているけれど友達じゃない子に
自分の大事な物を見せるのって勇気が要ると思わない?
その男の人は、カオルの事を知っているけれど友達じゃなくて、
お金にも困っていたと思うんだ。
だからカオルじゃなくてお店を出している七海さんの所へ
持って行ったと思う。」とのアキさん言葉に紅葉ちゃんは
「解った。大人の事情ってやっね。」と周りの気遣いを
笑顔で吹き飛ばした。
二人の会話を聞きながら
「まあ、薫さんの名前を出されて皿を見た時に
骨董屋の勘って言うのですか、
何か惹かれるものを感じたのですが根拠的なものは無いです。
強いて言えば「お茶会」で皆さんに見せたいと言う衝動を
抑えきれなかったことが買い取った一番の理由かもしれません。」と
照れ笑いをしながら付け加えた。
箱は石で造られている割には軽く感じ、
蓋を開けると薄汚れた箱と違い見て貰って分かる様に、
とても奇麗な黒い陶器の皿が入っています。
皿を出して高台の切り口や裏印を確かめましたが、
特に珍しい所もなく大量生産された皿かと思ったのですが、
何故か気に成って男に聞いたのです。
「何処でどうやって入手したのか?」と、
それに対して男は「入手経路等の皿に関する事は言えないが、
自分が持っていると使ってしまう。」と言うのです。
皿を使ってしまう?皿を使って何が悪い?
皿に対する違和感と男の意味不明な言葉が気に成り、
皿を買い取る条件として皿の事を聞かせてくれと言ったら、
話しを聞いたら必ず買い取ってくれるなら話すと言って来たのです。
売り物に成らなくても男の話しによっては、
客寄せ商品に成るかと思い大量生産かもしれない皿に対して
破格の値を付けて買い取る事を約束して話しを聞いたのです。
男が話すには「呪物コレクターから貴重な呪物だと見せられて、
皿から異様な何かを感じ手に取ったとたんに、
どうしても自分の物にしたく成ったそうです。
価格を聞くと予想をはるかに超える価格で、
高額の理由を聞くと皿が人手に渡った後に高確率で
持ち主が亡くなっている。」と言ったそうです。
その呪術とは「この皿の双口から同時に皿に注いだ飲み物を
飲むと飲ませた相手を呪い殺せる。
儀式を成立させる条件も、それ程に難しく無い条件だが
言葉にするのは控えよう。
条件を聞くと私と同じく皿を使いたいという衝動に
襲われた時に取り返しのつかない事態に成るから」と言うのです。
息を呑む音が聞こえそうな程に静まり返る部屋で薫さんが
「聞いた事がある。ただ飲むだけでは駄目だが、
それほどに難しい条件では無かったと思う。」薫さんの言葉に
アキさんが皿を覗き込み「確かに注ぎ口みたいな物は、
お互いに向き合って飲むのに都合が良い所に付いているね。」
その言葉に薫さん以外の三人が皿を覗き込んだ。
そして紅葉ちゃんが素朴な疑問を投げ掛けた
「オーナーこの皿が本物だとしたら、
どんな条件が揃えば人を呪えるの?」
禁断の呪文を唱えたかのように注目される紅葉ちゃんに
「その条件とは、・・・。」

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  • 前回も「いいね」を貰えたので続きを書きました。

    今回は呪いの皿、呪いを成立させる条件とは?
    その呪いの皿とは、どんな皿なのか気に成った人は
    今回も「いいね」を押して下さると嬉しいです。


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