旅の詩

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【讃歌】

・【長崎弁】アラカブは釣れよんねこん海はよんにゅ獲るんねこん海がいつまでん、ないどるごと祈っとるけん【標準語・意訳】カサゴは釣れますかこの海は豊かですかこの海がいつまでも静かなように祈ります────────────
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夜汽車

ガタゴトリ、ガタゴトリ夜汽車が静かに道を行く私を穏やかにゆたりゆたりと揺らしてキシリ、キシリ木の床が私のからだをあやすように軋むガタゴトリ、ガタゴトリ心地が良いまでの揺れと音が懐かしの子守唄に似ているすう、と瞳を閉じる木の温ぬくもりとスポン...
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年月

遠い 遠い 海の上浮かぶ小島 我、古郷今年の春の日も咲くのかな あの花が遠く 遠くにいる私もいつか そこへと行きたい覚えているかな 君はあの時の誓いを空を見上げれば曇天に咲く星達雲はやがて 去り円く映る光が地を照らし 声をあげ輝いている我ら...
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進む者

道というのは限りなく迷路のように連なっている行き止まりもあればまだ作りかけの道もあるたとえ未だ無き道を歩いて進む事になっても進めばそこが道となる。
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柳スイート

柳がそよぐと心地いい歩くともっと気持ちいい歴史の重みを感じたら二人の足取りをより確かなものにしてくれる柳スイート白壁の街並みはどこまでも二人を優しく包んでくれる
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【茂木】FORGET-SEA-NOT

・波が立つときは舟影が消えるよそものたちから身を隠す古里の海は古代の躍動深く魚たち眠る茂木忘れてしまうなこの海を数えてしまうなこの船を命が熔けてはいないのか水面が赤く染まる茂木・・漁が立つときは笑い顔あふれ閉ざされた海をなめてゆく女たちだけ...
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夢見機関車

月明かり煌々と炎に燃えて木々は身を燻らせ踊る今宵僕が招かれた新世界今宵僕が招かれた新世界巡りめぐった片道切符目の前通過して止まった鈍く光る黒き機体に吐き出されるやうなモヤイヒカリ今宵僕は笑うんだ今宵僕はやっと笑えるんだ右手に握りしめた小さな...
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師走のある風景

X’masソングが届かない凍りつくような薄情な風とカサカサに乾いた心心の行方見つからぬまま立ち尽くす旅路の果ての薄明り
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【東北へ】

・夕暮れまでに帰れよと我が子に叫ぶ母がいた故里の冬 帰ろうか 帰ろうよ  帰ろうか   今のうち  東北へ地面の匂い時となく雪をちりばめ混じりあい指を凍らす雪が降る 雪が降り  昔いた   人を呼ぶ  東北が心に深く突き刺さり敗れた者を認め...
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【国東半島】The file of time

・石に刻んだみ仏はいつも静かに笑ってる時は無慈悲な鑢です    ヤスリ 知らず知らずに削ります誰のせいでもないし誰を恨むでもないけれど人よ覚えていてほしいこんな小さな祈りだけれど────────────
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フェブラリー・ジャーニー

ジャーニーは2月にするんだと言う大きな狭間のようでいてそれでいてかすかな胎動未知への胎動どの色にも染まらないピュアネスさだけ残してくれる
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旅をするあなたへ

秋の夕暮れはどこか寂しいものですひとり旅をするあなたにはなおさらでしょう黄昏色の空に沈む夕日が美しいですあなたは今どこでこの夕日を見ているのでしょうか見知らぬ土地に吹く風はやさしく話しかけてくれていますかやがて来る冬に探しているものが見つか...
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