このバーにはどこか黒い衝動を身にまとった客が来る
看板メニューの名前をもじった店名
ローズティーで割られたカクテル目当ての寂しい後ろ姿
静かに響くステアの音 ローズティーの香りが店内に立ち込める
前に来たお客さん 今日はお連れさんも一緒?
やっと悲しい世界から抜け出せたんだね
悪魔の子と呼ばれていた女の子 誕生日なはずなのに
1人で寂しくカクテルを煽る ため息が多い
ヴァイオレットのアンクレットに まだ束縛されているよう
黒いハットを被った 吟遊詩人の常連さん
毎回同じ注文 ジントニックのやや濃い目
いつもなぜそんなに思い悩んでいるの?
一度も笑顔を見せない 暗い表情 心が晴れない
ステアする手に疲れたから 今夜はもう眠りの時間
明日もきっとこのバーは 切ないため息が小さく響く
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