いつか故郷の川で君と2人
アマゴ釣りなんかしてみたいな
スネークヘッド
コイ
ナマズ…
君の国の川魚は
どうしてなかなかにおっかないから
綺麗なアマゴは新鮮じゃないかな
ーなんて言うのは夢の話で
そのじつ
判で押したような日々のさなかで
君へのアクションは消えかかってる
君が僕に仕事を教え終わって異動になると
僕らの関係はほとんど途絶えてしまった
ささやかながらも熱のある
火花のような視線を飛ばしてみたりしたいけれど
“しょーがないネェ〜”ー
そんな君の呆れ笑いにくるまれてた僕には
とても
仕事ぶりはまるで姉のようだったけれど
二人きりで静かに作業している折りなんかには
ふっとこちらを健気な視線で見つめてきては
“○○さん、彼女いる?”なんて訊いてきたよね
しおらしい妹のようで狂おしかった
だけど君を彼女にしたいだなんて
とてもとても、言えなかった
かなり年上の男とも対等に話す
そんな大人な君をも僕は知ってた
たどたどしかった君の日本語
僕が言葉を添えてフレーズが完成すると
君は無邪気な女の子のように笑って
“そう、そう”って
また一段と瞳の潤いを強めてくるんだ
4ヶ月も前のことなのに
まるで昨日のことのようで
その情景に呑まれるほどに
僕は君が欲しくなって
はやる気持ちを抑えながら
君とちゃんと向き合うことのできるよう
襟を正して語学の勉強
いつかは君の女な素顔も見てみたいけれど
君の国の挨拶の言葉を
僕はこの午後知ったばかりさ
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