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夕暮れになると道で
足を止めて
祈りを捧げるように
頭垂れた コウベ
やすらいのなかはすべて
無色だった
謙虚な人の溜め息
あつめていた
いつでも「かたち」が
心を乱すらしい
語られぬ悲しみが
影のように寄り添う
瞼が重いだろう
その重さに逆らうな
しゃがんでしまえばいい
この場所で膝を抱いて
さあ
・
・
薄明の町を一人 ハクメイ
ゆるく歩き
優しい人の残り香
そっとなぞる
涙を流せるならば
終わるだろう
こんなに愛していたと
言えるだろう
いつでも「ながれ」が
心を変えるらしい
減らせない苦しみに
僕は慣れていくのか
目を閉じてもいいのなら
正直な子供になり
寝そべってしまいたい
この場所で泣きじゃって
そう
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コメント
原詩では、蒐(あつ)める、とか、紊(みだ)す、とか、漢検〇級だよ、みたいな漢字を使っていました。