【伝書鳩】


白い鳩が闇を裂いて
眠り深い街をよぎ
黙ってられるほど
私は強くない

手紙の重さは
私も知っている


風に乗れる低い空を
ずるいからす
選ぶはずよ
   

愚直な目的が
はがねの羽根にする
     
ろうだけ固めた
       
神話の羽根でさえ


誰も手紙 脚に巻いた
影をもって生まれ
滅ぶ

言葉にできるなら
あなたもわかるのに

風吹け 風鳴れ
私の味方なら

────────
────────
※鳥は闇の中で目が利くのか……細かいことは考えないでください。


コメント