君に五十の愛上を
明日
いつもの
裏道で
笑顔を連れて
おはようと
一歩踏み出した。
空っぽの
綺麗な
口から
削られた
声が
選んだ言葉は無音。
寂しさを
知らずに
進む
背中を
そのまま
眺めるだけ。
例えば
近付いて
つまづいた
手を
取って
一緒に行こうだとか言って。
何とか
逃げ出した
抜け道は
眠らない
脳みその中
まだいいかと尋ねる自分を。
反対側へと
ひっくり返す
不調和な
返事は
頬の冷たさと
まばたきを忘れた瞳。
まただ
見たくもない
無力感
目の前から
戻れはしないのに
でも。
安らかな
夢を
呼び戻せるなら
誤魔化せない事実の隣で。
螺旋巡りの
理想像が
留守のうちに
冷淡な
牢屋から
目を覚まそう。
別れ
を
ん。
五十音の愛上を
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