それでも十分だった。
これ以上なんて望まなかった。
ただあなたが居て
あたしを包んでくれるだけで良かった。
でもそれが余計あなた困らせてたなんてね
ずっとこんな状態が続くことは
絶対ありえないってちゃんと思ってたよ
だけどね、
あなたが愛しくて
歯止め効かなくなってて
ずっと先延ばししてたんだ。
彼女は可愛い
人なつっこくていい子
…悪いとは思ってた。
けど好きな気持ちは
あたしだって
譲れないくらい強かったの
世間体は気にしないって思えた、
普段は絶対に話もしない関係
木曜日の放課後
その時間だけは
あたしの物になってくれる。
頭を撫でて髪を指ですいた
はにかんだあなたはぎゅっと抱きしめてくれる
その一瞬のために
犠牲にしてきた良心
でも幸せだった、とても。
いつか終わるって
始まったときから思い続けてきたんだ
ばかだなあ。
上手くいかないなんて
はなから分かってたはずなのに
どうして少し期待してたの
あなたの一番は、
いつでもあのコだったのに。
あたしを抱きしめたまま、
きっとあのコを想っていたのに。
抱きしめられたところから
伝わってたんだ、あのコへの想い。
ぎゅっ
ぎゅっ
って繰り返すたび
痛いほどに
あのコが好きなんだって感じてた。
上手くいってないって噂何度も聞いた。
会える日も
そんな噂がたったあとばかりだって
だんだん気づいてもいた。
どうしようもないくらい好きなひと。
あたしはあなた。
あなたはあのコ。
あたしに愛をくれるとき、
…あなたはいつも
気づかれないように泣いていた。
そんな扱いでも良かったのに、
「一番じゃなくていいから…」
そんなプライドない言葉
絶対に口にしたくなかったけど
「ごめん…」
そう言ったあなたをまっすぐ見れるほど
あたしは強くなかった。
…ホントは
何も言わずに愛してほしかった。
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