手の届かない存在

手の届かない存在だ

冷えきった俺の心を
その優しい言葉で
そっと暖めてくれた、君は…

君は、もう誰かのもので
俺はそこには手を出せなくて

悲しくて
寂しくて

流した涙は

誰にも気付かれず俺を濡らした

こんな苦しい想いをするならば
恋なんてしなくてよかった

そう言っているのは俺じゃない
そんなこと思ってもいない

…そんなはずはない

じゃあ恋なんてしなければよかったね

君が俺でない誰かに投げ掛けた
その言葉は酷く冷たい

きっと俺もこう思われて
君に嫌われてしまうのか

そう思うと胸が痛い

…こんにちは

そう笑いかけてはみるけれど
うまく笑えていた気がしないや

きっと君は俺のことが嫌いで
俺に冷たい言葉を吐くんだーー

ごめんね
俺は君の邪魔をした

君の恋を応援するふりして
本当は応援なんてしたくなくて

ただ、君の側にありたくて

ただ、友達で居たかったのに
俺がこんな感情を知ったからーー

こんにちは

平常心を装った
俺に君はいつもの態度で

今日は元気ないね
私のせいだ、ごめんね

暖かな言葉で
寂しげに笑った

謝らなくちゃいけないのは
俺なのに

これからも仲良くしよう?

その言葉は酷く残酷で

友達でありたいと望んでいたはずなのに
いつの間にかその先を望んでいた俺に
言い渡されたその言葉

平常心を装った
俺は何でもないふりをして

そうだね、これからも友達でいようよ

自分で自分の首を絞めてまでも
君に好かれようとした

俺は、馬鹿だ


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