影帽子

少し赤みがかった空

淡い紺と薄紅がやわらかく混じる

いちにちの終わりを告げながら

同時にあなたへの思いも

少しずつ空に溶けてゆく

いつの間にか長くなった影帽子

同じくらいだった背丈が

月日追うごとに

あたしを置いて大きく、なった

今ではもう

ぎゅっとすれば

あたしの小さな影は

あなたにすっぽりおさまって

薄いコンクリートに映る

あたしとあなたの“それ”は

長く長くのびて

あたしとあなたの未来を連想させた。

…日が落ちる

あぁ、なんか…。

ねぇ、今

「2人で1つだね」

無性にそう、

言いたくなったよ。


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