雨つぶ

雨。

久しぶりの雨が
またひとつ

懐かしい君の記憶を
連れてくる・・・

傘を忘れた君が
フードをかぶって歩き出し

差し出した傘にも入らず

照れ隠しに鼻をこすってた

そんな場面を思い出し

まだ少し明るい
夕空を仰いだ

小さな雨つぶが
ポツリ

額に、

ほほに落ちて

私を濡らす

心を
濡らしてゆく・・・

もう
帰ろう

今日はこのまま
傘をささずに

あの時の
君のように

フードをかぶって

雨つぶと一緒に
流れては落ちる、

涙を

隠して・・・


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