ときの中のあなた

なぜか遠い記憶の中に
      昔の恋を思い出す
  その人への思いはもうとっくに色褪せて
     傷跡も癒えたはずなのに

    思いどうりにいかない現実に
  大事なモノをあきらめなきゃいけなくて
     自分で自分が嫌になって…

    そんなときに思い出すのは
     なぜかあの日のあの時の
    あなたの「愛してる」の言葉

  今あなたはあたしの隣にいるわけでもなく
    きっと他の誰かを愛していて
   また、あたしも違う人に恋してる
    時が流れるのは誰しも平等で
    それはときに切ないことだと
    もう何度も経験してきたこと
 
        でもなぜか
     そんな「とき」の儚さに
        ときどき
      もどかしさを覚えるの

  ねぇ、あなたに、偽りなんてなかったよね?
   あの頃の2人、信頼しあっていたよね
      そして今もその残像は
     あたしの記憶に在り続けるよ
      あなただけをただ想って
   前しか見ないで生きてたあのときのあたし 
   もう決して戻れないあの日、あの瞬間
       でもそれが時間の、
      意地悪で…優しいところ

       あなたは今いなくて
     あたしは今ここにいるけれど
    それは寂しい事なんかじゃない
  あたしが、これからをくじけずに歩むために
    少し背伸びして大人になるために
      背中を押してくれる
   かけがえのない記憶になってゆくんだよ


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