鬼ごっこ。

さぁ、ゲームを始めよう。

…鬼ごっこを、しようか。

私は鬼で
君は逃げる

…それで、いいよね?

だって、それが今の私たちでしょ?

君は逃げた
色々なものから

10数えるうちに
君はまず私から離れた

それは「学年の違い」という
変えようのないものだった

それについては
私はもう諦めていた。

君の方が
逃げるのが速いんだ
仕方がないんだ、と。

数え終わった…
追いかけ始める私
君は次に、私の想いから逃げた

好きって送っても
何かと理由つけて振って
「嫌いじゃない」なんて言葉で誤魔化して

好きって言っても
何かを堪えた笑顔で
私を華麗にかわすんだ

追い付けないと知りつつも
私は走り続けた

君を見失った。

君はもう遥か遠くにいる
「学年の違い」をまた思い知らされ
くじけそうになった

もういいや、
私はもう疲れたよ、なんて言って

ゲームを勝手に終わらせようとした

だけど
時間がたてばたつほど
君のことが気になりだしたんだ。

いきなり君が戻ってきた
「ゲームをもう一度やろう」なんて
あきらめた私にそう言って

「大丈夫、君ならきっと追い付けるさ」
そう言って、君は走り去った。

…仕方がないな。
じゃあ、もう一度だけ。
君を、追いかけてみようか。

君はもう遠いけれど
きっとまた出逢ってみせる

君に…追い付くんだ。


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