失われた時を求めて

僕は幼稚園送迎バスから降りた所で、曾祖母が押し車をニコニコしながら押して、迎えに来るのを待っている。
僕は六年生の夕ぐれの教室で、あの子が声をかけてくるのを待っている。
嘘くさく質量感のないお昼と溶かし込みそうな夕ぐれに、僕は彷徨い出して曾祖母とあの子を探すだろう。
多元的な記憶に重なりながら欝々として。


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