小さな君へ

君の両手いっぱいに宿った

色とりどりの神さまのカケラ

明日へ向かって放り投げよう

答えなんて始めからいらない

草むらに隠れたアマガエルの親子が

泣いている君を心配そうに見ていた

アリたちの行列が足跡に続いて

君が家に着くのをそっと見届けていた

誰かが優しくしてくれても

もう怯えなくていいんだよ

ひとが手を差し伸べるその気持ちに

たいした理由なんてないんだ

君のその小さな胸に咲いた

黄や桃の名前のない花たち

どうか摘み取ってしまわないで

答えなんてはじめからいらない

でんぐり返りをしていたダンゴ虫が

うつむく君を不思議そうに見上げていた

恋人を探して鳴きやまぬセミですら

君のため息にふと耳を澄ませていた

誰かのあたたかさに触れても

心から信じてだいじょうぶだよ

自分らしくあることにこだわっても

傷つく必要なんてないのだから


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