【銀の鈴】


銀の鈴を拾いました
名も知らぬ花の影で

それは二度と帰ってこぬ
眠る恋の夢でした

 好き と言えないままに
 散り急ぐ野の花よ

 恋が終わったならば
 次の恋 待ちわびよ

銀の鈴を拾いました
捨てられた口紅べにのそばで

 それが美しいなら
 私でも涙する

 蛍 身を焦がすほど
 文殻ふみがらをもてあます夜

銀の鈴を拾いました
ぬしのないくしのそばで

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