海風の吹くところ

金と銀の砂子が騒ぐ海原を右手に見ながら

のっぺりとした道を行く

やがて、緩やかな坂道をなぞり

海に突き出した岬を越えると

あの風車が見える

鼓動が、一気に跳ね上がり

ステアリングを握る手に

汗が溜まる

貴方が生まれた街

貴方が帰る街

私の知らない貴方を知る街

海風が吹き、貴方の幻影を見せる

私はただ、通り過ぎるだけ


コメント