遠い世界をさ迷っている
水彩画のような街の上を
ずっと眺めながら浮かんでいる
薄く滲んだ景色には
街も人もぼやけていて
そのぼやけた景色が温かくて
なぜだか心地よく思えてくる
そこには境界線なんてないんだ
争いなんてどこにもないよ
全てが溶け合い許し合い
互いを受け入れ繋がっている
ここがどこなのかわからないけれど
この心地よい景色の中に
僕は絵の具のようにぽたんと落ちて
溶け込みたいと思っている
ここならどこに落ちても
僕を受け入れてくれそうだよ
そう思った瞬間に
僕の体が重くなった
水滴になったように
パステルカラーの優しい景色に
僕はぽたんと落ちて滲んでいく
そして恨みも憎しみも
苦しみも悲しみも
みんなみんな消え去って
優しさだけが広がっていく
きっと柔らかなこの居場所を
ずっと探し続けていたんだよ
そしてやっと僕は
永遠の眠りについたんだ