透明に酩酊

夢だと気付くほど非現実を彷徨う羽目になる

誰もいない場所で孤独に叫ぶのと同じくらい
難易度の高い空虚に飲まれ流されて
打ち上がった場所は更なる悪夢の幕開け

蜜蜂が持つ長い針で穴を開けられ
胸からぼろぼろと零れ落ちるのが
極めて稀な真紅の酒だと言うならば
悩みなく誰かを酔わせる事が出来ただろうに

人知れず流す透明な血が本当に
さらさらとしたものだとでも思ったか
張り上げた声は誰にも届くことはない

誰よりも酔っているのが自分だと知っているから
四肢を振って醜くもがき悪足掻き
真っ白じゃないのは生きて行く為だと

雨が降る
今まさに
真っ黒に
すすけて
焦がれて
涙は枯れ

ゆっくり目を開けた、
尻切れになるのが夢と言うものだ
待ち望んだ現実は果たして
この酔いを払ってくれるだろうか


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