詩の世界に ただいまを

現実だけ
っていうのはやっぱりしんどい、みたい
こと僕にとってはなおさらに

手の平に情熱を収めておくことが
どうしてもできない人間だ
といって現実で満たすことが叶わないなら
それは必然的に空想ーもとい、妄想ーという形をとる

麗しいパートさんに笑顔で見つめられただけで
あっという間に
既婚の彼女との同棲生活で頭はいっぱいに(笑)

何もなければ何もないで
遠い明日にこの身を取り巻く人間模様が
花畑のように美しく細やかなものになる様を浮かべ続ける

冷静に目を転じたなら、侘し気な
孤独とまではいかないけれど
うら寂しいススキ野原に立っていて
我に返るとその落差に目眩がして
にもかかわらず夢に酔ってた自分が猛烈にイタく思えてきて

相も変わらず僕はずっと
飽きもせずにそんなドタバタを繰り返していくのかな…?
でもその果てに何がある?
目に浮かんだのは
泡沫のごとく消え去っていった夢の果てに
一人アパートで涙に暮れる50男の佇まい

夢に溺れなければ確かな現実を掴める、なんて
そんな保証はどこにもないけれど
自ずと浮かび上がってくるあぶくに
ささやかながらも意味を与えていくことができれば
夢と現実との乖離を”まぁ、いっか”って
そうやり過ごしていけるかな

ささやかだけれどたしかなカタチー
ポエムはいわば
そんなもう一つの『現実』たり得るはず

明日への自分をずっと見護っていてくれる
なごやかな神木のようなその世界に
この胸を祈るように寄せながら
ときに侘しくて泣きたくもなる
人生という旅路を乗り越えていければ

詩の世界に
「ただいま」を


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