芳香のようなため息

まるで水の精のように謙虚でありながら
その瞳の奥にはたしかな焔が宿されていた
世間との摩擦係数をいつも0近くに保ちつつ
しかし決して周囲のモノトーンには染まらない
ほっそりとした身体を包む薄緑のオーラをよく見れば
そんな凛としたあなたの意思が浮かび上がってくるようだった

夢見るあなたを
僕は夢見る
美しく成熟したその肉体が浜辺に横たえられたなら
それは芳香のようなため息が
遥かなる青へと放たれる時

あなたが1人ひっそりと
温め続けていただろう秘められし抒情を
不遜にも僕は
掴み出したくて仕方がなかった

“私、そんなに奥深い女じゃないわ”ー
たとえばそう一言いってくれていたとしても
ますます僕は
その胸のうちへと釣り込まれていたに違いない

衣服の上から見ただけだったけれど
あなたの胸は本当に綺麗だった


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