素直になれない涙

あの日

キミとサヨナラしたあの日

あたしはキミの前で泣かなかった

微笑みもしなかった

キミは優しいから

あたしにこう言った

俺がいなくても大丈夫だよね

こうなることを望んだわけじゃない

こうなることを赦したわけじゃない

大丈夫。大丈夫。 大丈夫、じゃない。

あたしはあなたがいないとだめなんです。

今まで素直じゃなかったあたしには言えなくて

大丈夫に決まってんじゃん

勝手に口が動いてた

キミの表情は見えなかった

見なかった

そのあとキミが何か言ったけど

何を言ったのか聞かずにいた

キミの視界からあたしがいなくなって

あたしはもうキミの表情を見れなくて

そのときはじめて涙がこぼれた。

もうあなたはあたしを見ない。

意地っ張りで素直じゃなくて

最後の最後まで本当のことを言えないあたしを

あなたはもう二度と

これまでと同じような瞳では見ない。

それだけで生きた心地がしなくて

先が見えなくなるだけ涙がこぼれた。