紙ヒコーキ

「スキ」という想いを
直接伝えることはできないから
君への想いをつづったうすっぺらい紙を
紙ヒコーキにして空にとばすの

晴れの日はとても気分がよくて
ほほが桜色に染まるの
曇りの日はなんだかモヤモヤして
あの子の存在が気になるの
雨の日はなんだか寂しくて
大粒の涙がこぼれるの

眺めがいい場所にたどり着くと
君が見えて
想いを込めた紙ヒコーキとばそうとするけど
君の心に霧がかかっていて
想いを伝えるのが怖くなるの

霧が邪魔で
君の想いが見えないから
私の吐息で消そうとするけど
その吐息も届かない

紙ヒコーキを持つ手が震えて
切なくてしみだす想いが涙になって
紙ヒコーキをとばすことができない私は
前に進むことができないの

そのとき
いたずらに吹いた風が
背中を押し 
涙をとばした

その風が
あまりに気持ちよくて
紙ヒコーキを空にとばした

私の想いは届く?
あなたに届くまで
紙ヒコーキはとびつづけるの
届け、この想い・・・

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