真っ白な雲

その日
私は蒼い蒼い空を見上げました。

空は大きくて
ずっと見つめていると泣きたくなるような
そんな空でした。

手を伸ばしてもつかめない
真っ白な雲。

ふと、自分の頬に手をあてると
少しだけ濡れていました。

その時初めて泣きました。

今まで押し殺していた悲しみを
この大きな空に預けるように。

この真っ白な雲は君。
この小さな手は私。

手を伸ばしてもつかめない君の心は
この広い空に浮かぶ雲と一緒。

なんて儚いものですね。

今日、私はこの広く蒼く美しい空の下で
一つの小さな想いを
手放しました。

「君のことが好き」


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