無我の理想郷2

永遠に夢幻の幻想が息づく森、輝かしく妖しく艷めく霜露が滴れ落ちる森。
奇跡の歌を聴きに来る観客に軌跡の詩を謳う鳥達。
ここには何も無い。
其処に有るは人々の哀愁
立ち去れ。
其処に有るは人々の侮蔑
楽園の苑に溝鼠が一匹。
歓迎しよう!
苑を焼く災厄を招く者は手厚く追放しよう。
頭を劈く産声は君を見て鳴り止まない
鳥の群れがお前を追うだろう。
お前には見えない扉がお前を閉じ込めるだろう。
君だけの世界に君を捕らうだろう。
魅力的で美しい怪しい光が肯定するだろう。
その身を溶かせ。熔けてこの地の養分となれ。
そうしてその血を冒されぬ永遠の地を永遠にしていこう。
なにも、一人でなくてはならない訳では無い。
なにも、人は人としか仲良くしてはいけないという掟も無いはずだ

汚すことなかれ、私の理想郷──無我の理想郷──を!


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