本屋三軒めぐり

仕事人間の親父がめずらしく
コミック本を欲しがっていた
僕を本屋に連れていってくれた

最初の店にはなくて
次の店に行ったが
そこでもなかった

すると親父は黙って
かなり離れた三軒目の店に向かった
なぜなんだろう
ふだんの親父とは違う
なにか執念のようなものを感じた
今日はまたどうして

ようやく三軒目でお目当ての
コミックを見つけた僕は
ページを開くよりも
余計なことを口走らない
親父の姿を
後ろからただ見ていた


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