恐れていた朝がやって来た
微睡む目を覆う膜は嫌に見目麗しく
自分の弱さを見せ付けられるかのよう
例え朝日に焼き尽くされても
消し炭くらいは残したい
あの人はそう考えて足掻き続ける
それが決して無駄なんかじゃない筈と
根拠のない自信で掻い潜っては
空を見上げて何もなさに泣くのだ
もしこれが棲みやすい夜ならば
頭上に優しい光が降り注いでいるのに
何故夜はずっとそこにいてはくれない
私はあの人を覆う星空になりたい
結ばれるような神話などいらない
あの人には朝の光は強すぎる
だから朝日を遮断する極光になりたい
あの人はまだ暴きたてる光の中でもがいてる
明けない夜の中で眠ったまま目覚めない
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