捨てられなかったシアワセ

……あの日

私は「僕」であることをやめた

そのはずだったのに

なぜ私は…僕はまた

前と同じことを繰り返す?

そうだ

きっと捨てられなかったんだ

所詮すぐ壊れてしまうような

そんなちゃちな関係が

大切で仕方がなかったんだ

寂しい

と君は言う

だから

私はまた「僕」に戻って

求められるまま

君の隣に在る

いつか求められなくなったら

きっとその時が

僕と君の終わり

それまで

しばらくまた

僕は僕に戻ろう。

画面の向こうの君が

微笑んでくれていることを

願いながら。


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