恋が終わるとき。

目の前で

二人が結ばれるのを

俺は、黙って見ていた

…チャット

文字だけのやり取りの中で

見付けた恋を

少しでも大事にしたくて

君に告白させられた時も

今のままでありたいと

そう君に言って笑った

目の前で結ばれた

君とあの人

二人とも幸せそうで

『よかったね』

『おめでとう』

心の籠らないメッセージを書いて

そっと、そこを離れた

俺は二人にとって

邪魔な存在でしかないから

君が幸せなら俺も幸せなんて

綺麗事言ってみたり

傷付いてなんかないって

強がってみたりもしたけど

やっぱり心は正直で

『こんなの嫌だ』って

そう叫んでた

俺は君と

あの人よりも少しだけ早く出会えた

それなのに、あの人は

俺から君を奪っていった

あの人が来たときから

俺はなんとなく分かっていたんだ

きっと、この恋は

もうすぐ終わる、と

君のことが好きでした

短い夢を見せてくれてありがとう

少しの幸せを感じさせてくれてありがとう

俺はまだ当分君を嫌いになれそうにない

君とふざけてやった

つまらない恋人ごっこが

今もまだそこに残ってて

忘れたくて

忘れられなくて

ごめんね

幸せになってね

涙ながらに打ち込んだその言葉は

君に届いたかな


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