まだ幼いあの頃
無意味な寂しさが募って
泣いていた日を思い出す
ひとしずくの涙を見せるには
空はあまりに広すぎて、悔しくて
いつか空の地図を描いてやろうと思った
何の筆を使えば雲を裂きながら
一本の線を引けるのだろうかと真剣に考えた
どこかに空に浮かぶ国があるのだろうかと真剣に考えた
いま、空に線を引くのは諦めたけど
地図に起こすのは諦めていない
流れる雲が笑っても
いつか空に見せつけてやるんだ
この空の地図を
これさえあれば
涙を降らすのがどの国か解るんだ
どうすれば気持ちが晴れるのかだって解るんだ
ひとしずくの涙が
空のありかたを変えてしまえるから
描くのを止めない
空はあまりに蒼くて、やっぱり悔しくて
この小さな空を広げる
笑う雲なんてもういない
流れのままにあり続けるもの
それは泣いてしまうほど
涙の意味を変えてしまうほど
素晴らしいものだった
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