夜汽車

ガタゴトリ、ガタゴトリ

夜汽車が静かに道を行く

私を穏やかにゆたりゆたりと揺らして

キシリ、キシリ

木の床が私のからだをあやすように軋む

ガタゴトリ、ガタゴトリ

心地が良いまでの揺れと音が懐かしの子守唄に似ている

すう、と瞳を閉じる

木の温ぬくもりと

スポンジのように沈みこむ柔らかな椅子が私を包んで離さない

私を深いところへ導いて誘う

私はそれに身を委ねる

ふわりふわりと

奥へ奥へ

奥へ奥へ

黒い世界へさようなら

夢の世界にこんにちは


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