今では
10月半ばくらいまで
猛暑が続くけど
ここで
夏から秋に変わるさまを
拾ってみた
シャンシャンがすっかりおさまり
クマゼミが地に伏せてもう鳴かない
おまえ あんなに頑張ったのにな
ソーダ味レモン味が命だったのに
いつの間にか
グレープ味ナシ味にとって替わられた
どれひとつ試してみるか
半袖シャツの襟元から
なにやらひんやりした風
これ
新涼っていうやつだな
その風を受けて進めていた
文化祭の準備で
あいつとあの子がくっついた
年に一度のフェスティバルが成せる
マジックだ
僕はと言えば
夏休みの前からあたためていた
あの子への想いをこの秋には
告げられるだろうか
いつか一緒に帰りたい
そんな淡い願いを
みるみる早まった日暮れが
あの子の後ろ姿を
かき消した
コメント