夏の夜を走れば。

あなたの家と私の家を結んでいる道。

あの道を、寒い暗闇の時間に走るのが

私は好きだ。

さっきまであなたと遊んでいて

楽しかったっていう

余韻に浸れたから。

午後6時には

もう真っ暗だったあの時。

不意に思い出して

同じ道を、真っ暗な時間に走った私。

…暑い。

とにかく蒸し暑い。

私は残酷な現実を改めて自覚した。

季節は移り行く。

もう、あの年の冬は過ぎたんだ。

もう、あのときの日常は戻って来ないんだ。


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