君とはじめて過ごした春は
小学校1年生でした
初めてランドセルを背負って
嬉しそうにしていた私は
好きも愛も恋も何も知りませんでした
ふと気がつくと
小学校も中学校も高校も君と一緒でした
12年間同じ学校で過ごして
12回同じ学校で春を過ごしました
君は12年間のうちに
うんと背が伸びて
髪形が変わって
力が強くなって
サッカーがうまくなって
すごくすごく格好良くなりました
いつからでしょう
私が君の事を目で追うようになったのは
私の心臓が君の存在に高鳴るようになったのは
私の耳が君の声をつかまえるようになったのは
私が君の事を毎日どんどん好きになるようになったのは
13回目の春は君と私の別れです
君は遠くへ行き
私も遠くへ行きます
同じ建物の中に君がいた日々は
私の人生の3分の2です
これから春が来るたびに
どんどん割合は小さくなっていって
最後にはほんの1部分になってしまうでしょう
それでも君と過ごした12年間は
私にとって本当に大切な12年間で
一生忘れたくない時間で
贅沢が許されるなら
ほんの1部分でいいから
私との時間が1秒でも
君の記憶に残りますように
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