名を呼ぶ

語りはしない ただ
名を呼ぶのみ
名は固有のものであれば
呼ぶため毎に新しく開ける

各々の名称に限りはなく
その個々の内在に流れてゆく泉は
楊の枝が示す水脈を 直接
手で受ける清々しさにも似て―

語るを得ない ただ示すのみ
形象を露わにして
神々しい輝きに目を細め
その存在を自らの重みで支えるのみ

夜明けに愛し合うことは
これはひとつの秘め事だが
甦った日々を祝福するものとして
今日が全肯定の力学で参加するよ


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