匂ふ

懐かしさ感じる匂い 古臭い思い出が埃をかぶって蘇る

作り置きの肉じゃが箸でつついて 会社終わり飽和する寂しさの匂い
アパートの一角 テレビ響いて ベット上向きに倒れこむ

明日には実家と母にLINEして 電気のひもを引っ張った

木々に止まったセミたちの声が 昔のまま ただいまと言って
ふらりふらりと見渡していれば 子供時代の見慣れた道

土臭いこの道 思い出も進めば もうそこは見慣れた家で

ボロくさい床板 ギシギシうめいて 迷うことなく足ばやに動く

匂につられて向かった先は

母の作り置きの肉じゃが


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