依存症候群

こともなげに、言われたことに腹が立った。
彼の目を見て、
ああ。もう終わってしまったんだと思った。
「ほんと、幸せそうでむかつく。」
ねえ、それを貴方が言うの。
ねえ、本当にそう見えるの。
ねえ、貴方がいればそれで。

好きと言ってもらえたときはうれしくて。
こんなひどい恋愛があるなんて知らなかった。
嫌いならそういえばいいのに。
中途半端な優しさで私を傷つける彼がすごく嫌い。
そう、思ってたのに。
それさえも裏切るの。
それさえも失くすの。
「合コンに付き合ってよ。」
恋人だよね、なんて聴けるはずがなかった。
愛してくれてるのなんて聞くのが恐かった。
だって答えなんて決まってるじゃない。
「俺はお前が嫌いなんだよ。」
そういわれる前に。
私から別れの言葉を言うわ。
ねえ、知らないでしょう?
別れの言葉を言うのは
初めの言葉を言うときよりも勇気がいるってこと。
貴方は知らないでしょう?
だって、私のずっと欲しかった貴方が目の前にいて、
抱きしめてって言えばそうしてくれかもしれなくて、
欲しいものがちゃんと目の前にあるのに
自分から離れていかなくちゃいけないんだよ?
大好き。
大好き。
大好き。
貴方のためなら何でもした。
行けといわれた合コンもちゃんと男の子相手に笑ったでしょう?
貴方が目をつけた女の子の邪魔をしたりしなかったでしょう?
貴方がその子にキスをしても私は泣いたりしなかったもの。
なんで気付いてくれなかったのかしら。
私は、どんなにひどいコトされても一回のゴメンで許せたのに。
一回の愛してるでまた好きになったのに。
嫉妬して、
泣いて、
また貴方に利用されて。
疲れちゃったの、そんな自分に。
ああ、でも。
でもね、一回でいいから言いたかったな。

貴方の隣で笑ったのは嘘じゃないの。
幸せだったの。
貴方の隣にいられるのが嬉しかったの。
どうしようもなく、幸せだったの。

ねえ、いまでも大好き。


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