今もまだ物語る

汗ばむ夏の
束の間の静けさに
いつかの声が滲んで浮かぶ

傍に 隣に 近いところへ
心に 瞳に 焼き付く
一瞬を探す

永久(とわ)にと願い
触れた筈の
ただ一時を願う今に知る

大人の大人のフリした振りに
色を出す度気付いては

大人の子供のフリした告白は
青一色だと顔も見ず

『さようなら』とは
いかない恋を
蝉の亡き骸と埋めたい


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