ベルタブラ讃歌

闇夜が滴り落ち、濡れ黒羽色に艶めく髪

知性を具現化した、美しき稜線を描く額

眼鏡の奥に宿る瞳は、獲物を狙うオオタカ

意志の強さを滲ませ、多弁を厭うように固く
富士形に結ばれた口元

佇まいは、何人も寄せ付けぬ未踏の峻峰

なのに

なのに

ひとたび口を開けば
甘く柔らかな声

微笑みは、早春の深山に密やかに咲く雪割草

心溶かすは、左目にほころぶ泣き黒子


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