なにかの災いだろうか
一本一本
太くて強い糸を
妻と子どもの為に
力を振り絞り
丁寧に組んだのに
人通りの少ない
細い路地を狙ったのに
時には徹夜もした
でっかい蛾と時々揉めて
強い風にも揺らされて
ヤンチャな水鉄砲で濡らされて
それでも負けなかった
自慢の我が家
それなのに
一瞬で壊された
どこの誰ともわからない
おじさんの
おでこに
全部もっていかれた
家族の為に
必死に建てたのに
おじさんのおでこがもっていった
何も知らず迫りくる
あの
おでこがもっていった
おでこに張り付いた
2LDK
SECOMつければよかったな
