クチナシの花

星降る夜に妖しく誘うクチナシの花

別れる男に花の名を教えておきなさいと
言ったのは誰

緑の輝く季節にわたしは怯える
瞼の奥はいつの日も眩しい
 「幸せよ」と微笑んだ
あなたの髪を撫でた風が頬を伝う
あなたなしでは生きられないと思った
わたしを残して
香るのは 白い花だけ

星降る夜に哀しく誘うクチナシの花

あなたと暮らす夢を見ていた


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