アタシの中のアナタ

あんなに遠い距離だったのに。

2年ぶりに見かけたのに。

アナタだってすぐにわかった。

顔なんて遠くて見えなかったんだよ?

もうアナタのこと忘れかけてたんだよ?

でも、一瞬にして思い出した。

アナタから目が離せなかった。

声も。

髪型も。

笑った顔も。

タバコを吸う時の仕草も。

人懐っこさも。

アタシが大好きだった背中も。

手も。

すべて思い出した。

何一つ変わってなかった。

何度も声をかけようとした。

でも怖かった。

アナタの中にアタシはもういない。

アタシのことなんてひとカケラも覚えてないでしょ?

名前を名乗っても。

アタシの顔を見ても。

声を聞いても。

きっとすぐに思い出すことなんて出来ないでしょ?

その答えを聞くのが怖かった。

結局声をかけられないまま時が過ぎた。

もう、こんなふうに偶然会うことなんてないよね。

でも。

今度会えた時はきっと。。。


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