やがて…枯れていく。

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去年の春。
豊かな土に種が蒔かれた。

私が入部したとき
元々君と違う担当だった

けれど事情により
私は君と同じ担当に移動になった。

…今考えれば、あれは運命だったのかもしれない。

初夏。
種は芽を出した。

最初はとても不安だった
君との活動

けれどすぐに慣れて
君とも打ち解けて…

6人でじゃれあうのが楽しかったあの頃。

夏。
芽は成長していき、やがて木になった。

自分の気持ちに気がついたあの頃
君は大会の練習で席を空けていた

…私はこの時初めて
君がいなくて寂しいって

…そう思った。

秋。
木は大きくなりすぎて我が身を滅ぼす。

膨らみすぎた私の想いは
やがて告白へと向かっていき

君には振られて
そして避け続けられた

君に迷惑をかけることしかできなかったあの頃。

冬。
葉を落とした木は寒さを感じなかった。

ようやく元の関係に戻れた
君と私

むしろ前より仲良くなって
寒い冬と対照的に

私の心はとても暖かかった。

そしてまた、春が来る。
寒さを乗り越えた木は、花を咲かせようとした。

新入生が入ってきて
私は先輩になった。

君と話そうとしても
その前に後輩に話しかけられる

幸せな時間を作ることのできなかったあの頃。

初夏。
葉を付けた木は、あることに気付く。

君の元気がなくなってきた。
まるで、日に日にやつれて行くようで。

けれど一度一年生から離れれば
君は元通りになっていて

君が無理してるんじゃないかってとても心配したあの頃。

夏。
葉を付けた木の枝が折れた。

自分の無力さに気が付いた。
君との約束を守れなかった。

泣きたくても泣けない私のそばに
君はずっといてくれた。

君のそんな優しさがとても嬉しかったあの頃。

秋。
枝も葉もない木はそれでも生きようとする。

君と離れて会えなくなって
暑い秋と対照的に冷たい私の心

君のことを想いながら
後輩にかっとなって叱ったり

君はもういないのに私は君にすがりつこうとしたそんな頃。

そして…冬。
葉も枝もない木は、少しずつ枯れて行く………。

寒いよ。寒いんだ。
もう耐えきれないよ。

会いたい。君に逢いたい…
冷えきった心は
暖かい君の存在を欲しがった。

モノクロの世界
色を失った世界

その中を一人
君を探しながら生きて行く私。

リーダーとしてのストレスと

君に会えない苦しさ辛さ

その二つが

私を『枯らそう』としている。

…もう、無理だよ。
私には無理なんだよ。
今の私には

せめて君に会わないと…

これからやっていける気がしないんだ。

ねぇ。
その日溜まりのような暖かさを

…少しだけでいいから、分けてくれないかな?

きっと私がすぐに冷やしちゃうけれど

大丈夫

君の優しさが

私の心を暖めてくれるから…


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