もし夢に敗れて諦めたなら

「もう諦めるんだ」

僕がこんなことを言ったら

君は叱ってくれたね。

「あの人に振り向いてほしいんだろ、

だったら諦めんなよ」ってさ。

そうやって何度も諦めそうになっても

何度でも君に言われたから

僕は

何度だって立ち上がれた。

でも僕は全部知っていたんだ。

君もあの人のことが好きだってことを。

それなのにどうして応援してくれるのかな、と

僕なりに考えていた。

結局あの人とは付き合うことはなかった。

でも、ずっと僕を叱ってくれてありがとう。

こんなことを言ったらまた叱られそうだね。

「将来どこで逢うかわからないんだから希望は残しておけよ」って。

ねえ、僕がもしも夢に敗れて諦めたなら

あの時のように、遠くで叱ってくれないか。

それは絶対、僕の心に届くから。

僕はそれを受け止めるから。


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