たがために
君想う
たがために
わたくしは
憂うのです
熱くなったり
冷めてしまったり
その心というのは
いったいぜんたい
どのようにして
生まれ 消え行くのです
わたくしの内にも外にも
心臓でも脳の電気信号でも
ないなら
人想うゆえの
愛憎は
たしかに震える
心の岸辺は
あると認めればここにあるが
こことはどこだと聞かれれば
その所在に困り果ててしまう
そんな 曖昧な
おもいの果てで
たがために
夢想う
たがために
わたくしたちは
いかるのです
雨の日の
木々の喜びを
殺処分を待つ
動物たちの
声なき叫びを
あると認めなくては
どうして詩など
描けようか
心とはそういうもの
詩人とはそういうもの
たがために?
それは
わたくしのため
苦しみの 救いの
哀しみの ため
コメント
心を想ってみました。