それは、愛してはいけない青でした。

白い雲に覆い尽くされ
隠れて見えない青を探して
溜め息ひとつ

鞄につけた小さな鈴が
渇いた音を鳴らす

美しく輝いていたそれは
汚れて、くすんで
光を失くして眠る

冷たい風の吹く季節
空の青を染み込ませた
マフラー首に巻いた君
幸せそうな、微笑み

澄んだ音りん、と鳴らして
笑い合う、君と僕

…そんな夢を、思い描いた

幸せだった日々を
鈴に入ったひび撫でながら

思い出す

空の青も
君の青も

溶けてなくなった

その青が、恋しい


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