かじる

あなたをかじった
あなたの味がした

昨日の夕暮れ
あの独特な空色に照らされたあなたが
とても綺麗だったから
私はあなたを瓶に閉じ込めた
酸素は無い
濁った瓶に蓋をして
私はあなたと共に過ごすコトに決めていた

あなたはあなたになっている
息を垂らすほどに輝いている
肌は艶やか髪も滑らか
目を瞑りあなたは底に落ちている
私のかじった痕からうねうねと蛆虫が這う
侵食されているあなた
私はそれを眺めている

私は再びあなたにかじりついた
あなたの味はまだあなたの味だった


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