お星さま

「暑い…」

お星さまは暑いのが嫌いだ。

だから本当に不機嫌。

「ハイハイ、もう少しで着くから機嫌なおして」

持っていたペットボトルを
お星さまの首に当てる。

「きっとプラネタリウムは涼しいと思うからさ」

てか、行きたいって言ったのはお星さまだけどね。

でもそんなこと言ったら
きっとぶたれるので黙っとく。

プラネタリウムに着いて、
約2時間後
外に出ると、

お星さまはすっかり機嫌が直ったようだ。

「あ~楽しかった!」

いつもの太陽みたいな笑顔で、
笑いながら僕の腕を引っ張る。

本当にお星さまは
気分屋さんで困る。

「また行こうね」

キラキラとした星みたいな笑顔に決意が固まり始めた。

「うん、いいよ」

何回でも、一緒に行ってあげるよ。

外に出ると、
夕暮時になっており、
一番星が輝き始めていた。

「一番星見つけたー」

うれしそうな顔で
星を見つめているお星さま。

おもえば最初の告白はお星さまからしてくれた。

だからこの告白は、
絶対に俺がしなくちゃ。

「あのさ、」

「ん、どうしたの?」

太陽みたいに明るくて、
お星さまみたいに淡く綺麗で、
世界中のだれよりも愛している君へ、

お星さまが流れ星になってしまう前に…

「俺と結婚してください」


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